コロナ感染 ~前編~

はじめに

コロナ感染 前編

この記事は個人の体験であり、コロナに感染した場合の一般的な症状や経過についての解説ではありません。既往症があったり、高齢者の場合は重症化する危険性があり、現在も7日間の平均死亡者数は77人(2022年2月5日)に上る危険な感染症です。

今回コロナに感染したことで、職場並びに家族に大変ご迷惑とご不便をおかけしたことをこの場を借りてお詫び申し上げます。また、私自身が気が付かないうちに感染源となり、第三者の感染を促してしまった事がもしあれば、お詫びのしようもありませんが、大変申し訳なく思います。

発症2日前

朝から自宅でWEB会議に出席し、午後から出社し数件の社内打ち合わせを行った。ジムには行かずまっすぐ家に帰り、家族と夕食。夕食は家族で同じ鍋をつついた。家族が感染しなかったことからこの時点では菌の拡散は無かったと思われる。

発症前日

この日は、新幹線で名古屋~大阪の出張であったが、朝から全く症状が無く普通に出かけた。当初は大阪でお客様との会食の予定だったが、今思えば幸いなことにまん防が発令されていることもあり、会食は自粛していた。しかし、同行していた同僚から『東京帰ったら軽く食事をしよう』と誘われ、恵比寿で食事をしたのだが、例によって結局軽くではなくなり、帰宅後はソファーで寝てしまった。

発症当日

朝、ソファーの上で目覚めたのだが強烈に身体がだるい。ソファーの上で寝たせいかともおもったのだが、念のため熱を測ってみると37.5℃。やおら病人になり、インターネットで発熱外来の診察してもらえる病院を検索し、そのままインターネットで予約をした。会社と家族に連絡をし、予約時間の午前11:00にクリニックを訪れた。

既に予約時に発熱とコメントを入れていたのでクリニックに到着後、スムーズに受付を済ませると20代から30代とおぼしき数名の若者が待合スペースのソファーに腰掛けている。それぞれが名前を呼ばれ診察室に入ったかと思うとすぐに出てきて、別の人が呼ばれてはまた出てくる。診察室のドアには『ノックをして、帽子を脱いでから入室してください。特に若い人』という貼り紙がしてあり、若者はみな律儀にノックをし、脱帽してから入室してゆく。

大方の若者がはけた後、私の名が呼ばれた。ノックを忘れないようにしながら、おずおずと入室し症状を告げる。朝からの発熱、咳は多少出るが軽く、痰も出ない。鼻水も殆ど出ない。というようなことを伝えると、医師は鼻に突っ込むタイプの検査用の長い綿棒を取り出して、咳をしないように注意しながら綿棒を鼻腔に挿入した。結果が出るまで数分の間、外で待機するようにと指示される。なるほど、出たり入ったりしているのはそういう事であった。私と入れ替わりに若者が再び呼ばれ入室する際、締まりかけの扉の奥から医師が『コロナ陽性です』と淡々と告げる声が聞こえた。

ほどなく私が結果を聴く番となった。「これはインフルと、コロナの両方を検査できるものなんですが」と前置きをするので、てっきりインフルエンザに感染したのかとおもい胸を撫でおろそうとした矢先に『新型コロナ陽性です』と告げられた。同居している家族や会社の人にえらい迷惑をかけてしまうという思いに憂鬱になる。昨日一緒に食事をした会社の同僚は間違いなく濃厚接触者である。現在、保健所は手が回っておらず、濃厚接触者には感染者自身で連絡を取るようになっている。基本は一緒に会食した人や同居人だが、明確な定義は無いようだ。『そういえば、昨日新幹線で大阪、名古屋いったな』と思い、自宅に帰ってからJRに座席番号を特定したりといったような連絡窓口があるのかとネットで探したがどうやら無いようである。少なくとも隣は空いており、咳も出ていなかったので周囲に迷惑かけていなかったと祈りたい。

クリニックでは解熱鎮痛剤のカロナール、沈咳作用のあるメジコン錠、気道粘液調整作用、粘膜正常化作用(痰や鼻水が出やすくなる)カルボシステイン錠等を処方された。

とぼとぼと帰宅し、会社やら家族やら関係者に事実関係の報告をしたところ、上司からは『テレワークはできるの?』とメールが帰ってきた。『現状は症状も軽いので今のままであれば大丈夫です』とは回答したものの、夕方になってくると痰を伴う咳が出たり、上気道と下気道の中間あたりにひりひりとした痛みがあったり、熱が上がったりとそれらしくなってきているのでやや心配になった。

発症翌日

朝から熱は37℃台で、全身に倦怠感がある。ホテルには泊まらず、個室にこもって自宅療養にする事にした。幸いトイレは家族と別にできたので、隔離状況が確保できた。同居家族の濃厚接触は、隔離状況が確保できてから10日(現在は7日に短縮)となっているので、隔離できる事が重要のようだ。浴室だけは共用になすので、換気や使用後の消毒、周囲にべたべたと触らないという配慮が必要となる。もし隔離ができないと、感染者自身の自宅待機期間終了後から、濃厚接触者での自宅待機期間がカウントされるので、半月以上自宅待機となってしまう。なので、小さな子供など、面倒を観なければならない一方でホテル療養も難しい場合は大変である。

夜になると、喉の痛みがどんどんひどくなってゆく。食事が喉を通らないという程ではないが、焼けるようなかつてない痛みだ。時折、気管支の奥から湧き出すような痰の絡んだ咳が出るが、咳をしたり痰を切ったりすると喉がとても痛い。

食事は一日二食、野菜や果物、タンパク質が中心の食事を妻が紙皿に盛り付けして部屋の外に配膳してくれる。ありがたい。基本部屋から出られず運動量が足らないので、3食は不要である。時折妻が入れてくれるコーヒーもありがたい。

コロナ中の食事 美味しく頂きました。

この日、『HER-SYS(厚生労働省新型コロナウイルス感染者等情報管理システム)』というところからショートメールが送らて来た。本文中のURLから、WEBサイトに行くと、体温や症状について入力するシステムにつながった。このショートメールは、その後2週間毎日送られて来るので、その都度体温と病状を入力して報告しなければならない。

夜は痛み止めで喉の痛みをなんとかごまかしながら就寝。

発症2日目

喉の痛みはまだ続いていたが熱は平熱に戻った。部屋の中から出られない生活というのもなんとなく慣れてきて、窓を開けて換気をしてみたり、寒くなって閉めてみたり、PCでNetflixの映画を観たりしていた。時折LINEで妻に連絡し様子を聴いたり聞かれたりもしていた。

クリニックから私の陽性に関する連絡があったと、クリニックで記載した携帯電話に保健所の職員から連絡があった。発症日から10日間の待機が必要で、解除となる為には4日以上平熱が続いている事等の条件があるという説明があった。

発症3日目

既に平熱となり、喉の痛みも大分治まってきたので、すっかり在宅勤務モードとなった。しかし、ウイルスのせいなのか何か別の要素なのかはわからないがメールやら書類やらに目を通すのがいつもより億劫であり、メールの返信にも時間がかかる。熱はないもののまだまだ病人モードである。

続く

コメント

タイトルとURLをコピーしました