まずは、このチケットを入手できたことに感謝しなければならない。抽選で買う事が出来たのだが、ネットでのやりとりを見ると結構な倍率のようである。会場である有楽町国際フォーラムに到着したのは開演の40分ほど前で、ホールの入り口には人だかりができている。コロナ禍ということで、手指の消毒や検温の他にを半券の裏に名前と連絡先を書くようにというお願いがあった。
ホールに入ると、物販コーナーの行列ができており、その行列がホールの非常口の方へと伸びており、階段をのぼったり下りたりした挙句、開演30分前にも関わらず30分待ちというなんとも慌ただしい状況なので、グッズの購入はあきらめて席に向かった。
席は1階の前から18列目で思ったよりステージに近く、真っ暗なステージの上に懐中電灯を持ったスタッフが通ったり、ギターの音だしをしたりしている様子が見て取れ緊張感と共に気持ちが高揚してくる。そして会場の明かりがすべて消え、ステージに現れた宮本浩次は徐に『光の世界』を歌い始め、静まり返った会場が一転拍手に包まれる。
2曲目に入る前に、ステージ中央にランタンが用意され、ランタンを手に取った宮本がステージの上を歩きながら『夜明けの歌』を歌い、スクリーンにはゆっくりと朝日が街を照らしてゆく映像が流れる。PVのままの世界観がステージで再現されている事に感動した。3曲目の『Stranger』が流れると、それまで静かに着席していた観客が示し合わせたように立ち上がる。急に全員が同時に我慢できなくなったのか?なにかのお約束があるのだろうか?とにかくみんなが立つので、立ち上がる。そして『異邦人』。この曲のイントロのアレンジが大好きで、思わず飛び上がってしまう。次の『君に会いたい ~dance with you~』ではスクリーンの映像と音楽がマッチしてどこか別の空間に放り投げられた浮遊感すら感じるほど。
中島みゆきのカバー『化粧』は「馬鹿だね、馬鹿だね」という歌詞に気持ちが100%乗り切っていて、聞いているコチラまで悲しい気持ちになってくる。続いても同じく中島みゆき作詞作曲のカバー曲『春なのに』。さすが同い年「柏原芳恵」は可愛かったですね。『Shining』に続いては、椎名林檎とのデュエット曲『獣ゆく細道』。椎名林檎のLIVEに宮本浩次がゲストとして参加しデュエットしている映像をYOUTUBEで見たが、強烈なインパクトであった。そのインパクトそのままにソロで歌っている。
歌謡曲をロックにしてしまった岩崎宏美のカバー『ロマンス』に続いて、ソロとしてのデビュー曲となる2019年に発表された『冬の花』。カラオケでは宮本浩次のソロとして一番歌われている曲である。
ここで、宮本浩次は「有楽町ベイベー」といいながらライブができたことを喜んでいるというコメントがあり、この曲を贈りますといって歌ったのがエレファントカシマシの『悲しみの果て』。私がエレファントカシマシそして宮本浩次を好きになったきっかけの曲でもある。
次の『Sa・la・la・la』では宮本氏はステージから袖の方に走ってやってきてファンサービス。席はステージよりも袖の方が近く、さすがに手が届くほどとはいかないが、表情が見て取れるほどでかなり興奮してしまった。そして、『浮世小路のBlues』を歌って第一部は終了となった。
第二部はみんなのうた『passion』。そしてエレカシの『ガストロンジャー』。「あげくお前人の良さそうな変な奴がヤツがのせられて偉くなっちゃって」という大好きな歌詞を生で聴くことができた。て「風に吹かれて」「今宵の月のように」とエレカシの名曲が続く。
観客にむかって「ありがとう」というMCが入ったあと『あなたのやさしさをオレは何ににたとえよう』を歌い、天才ヒットメーカー小林武史をはじめとしてメンバーの紹介。
その後は、アルバム『縦横無尽』の曲『この道の先に』『十六夜の月』、そして超早口の曲『rain -愛だけを信じて-』ではスクリーンに歌詞が映し出される中、違う歌詞で歌っていた。馬鹿らしくも愛しきこの世界という歌詞が気に入っている『P.S. I Love you』を歌って第二幕は終了。
アンコールのMCでは宮本浩次×小林武史で、東京のステージは話すことがないというようなことを話していた。そして泣いてしまう歌『木綿のハンカチーフ』のカバーの後は櫻井さんとのデュエット曲『東京協奏曲』をソロで歌った。櫻井さんのパートのところで、突然宮本浩次は「すみません、いきなり2番歌っちゃいました」といって演奏を中断。「ここはいつも櫻井君がうたっているので」と言い訳をし下を向いてブツブツと歌詞をつぶやいてから「あ、あっててか」といって頭から歌いなおし。櫻井氏とのデュエットでは、どうしても櫻井節になってしまうところがあり、ソロもいいなと思った。
最後は『ハレルヤ』。歌詞がいちいち奮っていてなんとも元気づけられる歌である。同じ年の私には55歳の宮本浩次が同世代に向けたエールのように聞こえてくる。
歌いなおしのハプニングや、歌詞が飛んだりした部分もあったが、それだけにカンペなしに取り組んでいる宮本浩次の真剣さが伝わってくる素晴らしいステージであった。
歓声を上げることも、一緒に歌う事も出来なかったが拍手や、拳を振ったりしてすっかり爽快な気分になった。午前中に肩の筋トレをやりすぎて途中で腕を振り上げるのがキツイと感じたのだが、気が付くとラストまで全力で振り回していた。次回、チケットの抽選購入に当選できるのはいつだろうか?

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