劣化

今日はお客様を工場にお迎えしてのアテンドで大分に来ている。普段は東京の事務所で仕事をしているので、自分の会社とはいえ工場に来ると、来客用の保護具を着用する。今回もサイズ26.0cmの安全靴を用意して頂いた。

安全靴を履いてなんとなく底がベタベタと床に貼り付くような感覚があったので、おかしいなとは思ったのだが、工場内を歩いているうちに靴底に妙な違和感を感じた。

ふと足元に目をやると、私の足元にゴムのカスというか靴底だったものが散乱している。どうやら劣化により靴底のゴムがもろけたらしい。

そんなちっとも安全ではない底なしの安全靴になってしまったので、急遽事務所に戻り靴を交換した。

靴底のゴムというのは、靴を使いわないでいると劣化するようだ。

今から25年くらい前、新百合ヶ丘に住んでいた頃、駅の近くのジムに入会した。少し前に買ったシューズを履いてエアロビクスのクラスに参加したのだが、私の周囲に白い粉が散らばっている事に気がついた。程なくしてその粉の正体が私のシューズの靴底が削られて出てきたものだと気づいた。

ただでさえ、エアロビクスのクラスについて行けず、皆と逆の手を上げたり、よけいに回ったりと浮いた行動をしている上に、周辺に白粉をばら撒いていると言う事実に愕然とした。誰も気が付きませんようにと祈りを捧げながら、一方で動揺と集中力の低下でますますダンスはデタラメになりこれ以上ない程に浮いていた。

もろけた安全靴の残骸を見ながら、そんな記憶が蘇った。

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