棒に振る

EAT

店舗を構えずに竿を担いで商品を売り歩く、『棒手振り』と呼ばれる行商スタイルが江戸時代には盛んで、昭和初期の頃まで残っていた。

天秤の両端に商品の入った籠を下げ、肩に担いで野菜や魚などの食材や日用品などを販売していた。当時こうした商いを営むには『振売札』という幕府の許可証が必要だったらしい。そうした許可証の記録によれば、1659年に江戸北部だけで5900人が棒振りを生業とし、業種は50種にも及んだという。町中がコンビニやスーパーのようなものだ。

「棒に振る」という言葉は、こうした棒手振りが商品をすべて売り尽くしてもさして利益が残らなかった様子をさして、努力や苦労を無駄にしたという例えに使われる。

昨日は同僚の壮行会ということで茅ヶ崎で食事をしていたのだが、会の終了間際にちょっとしたトラブルがあり予定していた時間に解散ができず、終電を逃してしまった。『冷静でイイ奴』の私の同僚が、おもむろにスマホを取り出し、私の顔とスマホを見比べるようにしながら何やらポチポチしている。さては宿の用意をしてくれているのかと思ったのだが、どうも冴えない顔をしている。『すいません、宿満杯です』との事。おやおや困ったことになった。近隣の自宅にタクシーや徒歩で帰る同僚たちをよそに、まあまあ途方に暮れながら、ネオンの明かりが徐々に消えてゆく街並みを見やるとカラオケスナックが一軒空いている。一目散に飛び込むと2、3組のお客がおり、店内はそこそこににぎわっており3時までなら開いているという。まあ後の事は後で考えることにして3時までの場所は確保できた。

人の歌を聴いたり、自分で歌ったりしながら気付くと3時で閉店となり、それ以上カウンターにはしがみついていられない。更に静けさをました街に放り出されると明かりある方に寄ってゆく蛾のようにパタパタと明かりを目指しては、コンビニに入ってみたり、商品を手に取ってみたり、はたまたそれ以上いると変な人だと通報されても面白くないので店を出てみたりとしたが、一向に時間は過ぎない。

そんな矢先に一軒の焼き肉屋『七輪焼肉 安安 茅ヶ崎店』を発見。営業時間は29時まで。始発まで温かい七輪のそばで暖を取る事が出来た。

七輪焼肉 安安 茅ヶ崎店
茅ヶ崎駅北口より徒歩2分にある七輪焼肉 安安 茅ヶ崎店は、いつでも安くて美味しい焼肉が食べれます。「七輪焼肉 安安」は、当たり前の安全・安心に加え「早い」「安い」「旨い」をモットーにしています!皆様に安心して満足のいく食事をして頂けるように良いものを少しでも安く提供します。値段が安いからといって品質に妥協は一切なし。安...

無事に始発で帰宅はできたものの、午前中は使い物にならず、半日を棒に振ったというお話。ジムのクラスもキャンセルしてしまった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました